2019.05.31 13:39 更新
2019.05.31 取材
Antec(本社:アメリカ カリフォルニア州)は、COMPUTEX TAIPEI 2019会期中、Grand Hyatt Taipeiのプライベートルームにて内覧会を開催。Performanceシリーズの上位機種「P82」シリーズを発表した。
Performanceシリーズと言えば、歴代同社を代表する名機を輩出するPCケース界の名門。AntecはCOMPUTEXの開催に合わせ、新型「P82」シリーズを発表した。早ければ2019年10月以降販売が開始される。静音PCブームの火付け役だけに、未だそのイメージが強いAntec。しかし「P82」は少々様子が違うようだ。
Antec「P82 CRYSTAL」 |
フォームファクタはE-ATX(恐らく幅制限アリ)までサポートするミドルタワーで、ラインナップはいわゆる無印の「P82」と、フロントと左サイドパネルに強化ガラスを使った「P82 CRYSTAL」の2モデル。
前者はフラットデザインのフロントおよびトップパネルで、いかにもAntecらしいスタイル。これに背面ヒンジのスイングドアを採用し、強化ガラス製サイドパネルは上方向に持ち上げるだけで、簡単に取り外しができる。なおトップパネルには通気孔などが一切なく、右端縦列にはスイッチおよびアクセスポート類がレイアウトされていた。
内部構造に目を移すと、真っ先に気が付くのは電源ユニットがトップマウントであること。近頃ではIn Win等がこの手法を採り入れ、ボトム面のフルフラット化により、冷却ファンまたはラジエターが無理なく搭載できるようになった。長きにわたり電源ユニットのボトムマウントが主流だったが、搭載パーツの搭載位置を見直す兆候が出始めた。シャドウベイが筐体内部の主役ではなくなったように、今後少しずつ変化がみられるかもしれない。
さらに細部に目をこらすと、フロントトップエリアは3.5インチHDDマウンタが2つ備わり、拡張スロットの延長線上には、VGAホルダーが標準で装備されていた。
背面に回ると、横置き拡張スロットが7段、さらにグラフィックスカードの垂直マウントを可能にする縦置き拡張スロットが3段用意されている。その上に見える冷却ファン増設スペースは、スリットタイプのネジ穴から、120mmまたは140mmファンに対応しているようだ。
またマザーボードトレイ背面を見ると、CPUクーラーメンテナンスホール下に、2.5インチSSD用ブラケットが2枚確認できる。さらにフロント寄り縦列の大きな開口部はラジエター搭載スペースで、360mmサイズまでをサポート。このスタイルも増えつつある。
居合わせたAntec担当者によると、標準装備される冷却ファンの数などは未確定とのこと。「P82」は静音志向ではなく、水冷構成に対応する設計にシフトされており、世代の変わり目を感じさせるモデルといった印象だった。
また魅せるPCにシフトした「P82 CRYSTAL」は、共通筐体を採用。フロントパネルも強化ガラスに付け替えられ、前面と側面から内部の様子を見て楽しむ事ができる。
最後に気になる想定売価だが、あくまでも現時点で無印が15,000円程度。CRYSTALバージョンは未定とのこと。編集部に実機が届く日を心待ちにしたい。
評価サンプルに掲げられたスペック一覧。製品版では改良が加えられる可能性がある |
文: エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
Antec: http://www.antec.com/
COMPUTEX TAIPEI 2019 記事一覧: https://www.gdm.or.jp/computex2019/