2019.12.10 23:00 更新
2019.12.10 取材
AMD(本社:アメリカ・カリフォルニア州)は2019年12月10日、グラフィックスドライバの最新版「Radeon Software Adrenalin 2020 Edition」を発表した。発表に先立ち都内で開催された、メディア向けブリーフィングの模様をお伝えしよう。
今年もAMDのグラフィックスドライバ大規模アップデートの季節がやってきた。最新バージョンでは、いったいどんな機能が追加されているのか? |
もはや毎年恒例となっている、AMDのグラフィックスドライバの大規模アップデートが今年も発表。本日より最新バージョンの「Radeon Software Adrenalin 2020 Edition」が公開された。
発表に先立つメディア向けブリーフィングに合わせ、ソフトウェア開発の責任者であるソフトウェア・ストラテジー&ユーザー・エクスペリエンス担当シニア・ディレクターのTerry Makedon氏が来日。注目の新機能や拡張機能について解説を行った。
長くソフトウェア開発に携わり、家族にも「自分にとって“本当の長男”はRadeon Softwareだ」と言ってはばからない、開発責任者のTerry Makedon氏。発表会冒頭では、1998年まで遡るソフトウェアの歴史を振り返った |
まず新機能の前に発表されたのは、ユーザーインターフェイスの刷新だ。昨年版の「Adrenalin 2019 Edition」では従来通りのUIを踏襲していたが、Makedon氏が「大胆にリデザインした」と語るように、より目的の機能にアクセスしやすいデザインに変更されている。
具体的には、購入したストアを問わずインストールされたゲームを一元管理できる「GAME CENTER」、システムの性能評価やアップデートのアドバイスを行う「SYSTEM STATUS」、録画やインスタントGIF作成などキャプチャー関連に簡易アクセスできる「MEDIA & CAPTURE」など、一画面に分かりやすく配置されている。ゲーム中にオーバーレイ表示させた際も共通のデザイン・レイアウトになるため、迷わず操作ができる。
また、新たにWebブラウザ機能を搭載。ゲーム中でもプレイを中断することなく、オーバーレイ表示させた画面上で攻略情報などを調べることが可能になった。
昨年版とは別物に刷新された新UI。主要機能が分かりやすく配置されたホーム画面が特徴で、どのデバイスで立ち上げてもデザインが統一されているため、情報の把握・設定が容易になった |
インストールされているゲームを一元管理する「GAME CENTER」。タイトルごとにパフォーマンス設定が可能なほか、ゲーム中の功績や総プレイ時間などの情報も確認できる | アップデート情報やゲームプレイのために十分な性能があるかを教えてくれる「SYSTEM STATUS」。性能不足の際は換装パーツのアドバイスもやってくれる |
配信などに便利な、キャプチャー関連がまとめられた「MEDIA & CAPTURE」 | ゲームプレイの最中に同一画面でブラウジングできる、ブラウザ機能「WEB BROWSER」もソフトに統合された |
機能別の詳細設定もリニューアル。配信機能が集約された「STREAMING TAB」とチューニング設定用「TUNING TAB」も分かりやすくなった |
インストーラーも改善。ワンクリックで簡単にインストールが可能なほか、所要時間も34%高速化しているという | 設定が苦手な初心者向けに、簡易プロファイルの「USER PROFILES」も搭載。「Gaming」「Esports」「Standard」から選択するだけで設定が完了する。もちろんエンスー向けに詳細設定も可能だ |
なおMakedon氏によれば、「Radeon Software」は毎年平均で16の新機能を追加し、12%のパフォーマンス向上を実現してきたとのこと。そして最新版の「Adrenalin 2020 Edition」では、例年を上回る20の新機能追加、過去5年間と同様に前年比12%のパフォーマンス向上を果たしているという。最も重要な安定性についても、Microsoftと共同で障害改善に取り組み、「最も堅牢性の高いAMDグラフィックスドライバ」(Microsoft)をリリースできたとしている。
継続して新機能の追加と性能向上を実現してきた、AMDのソフトウェア開発。「Adrenalin 2020 Edition」では、例年を上回る新機能と着実な性能向上を実現している |