エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.510
2016.08.30 更新
文:GDM編集部 絵踏 一
ASRock「DeskMini 110」(型番:DeskMini 110/B/BB) 実勢売価税込16,800円前後 製品情報(ASRock Incorporation) |
COMPUTEXにて関連製品が正式にお披露目された、小型フォームファクタの最新規格Mini-STX。Mini-ITXより小さなボードにデスクトップCPUを搭載可能で、NUCのパフォーマンス不足も解決できる |
超小型PCの新たな可能性として颯爽と登場したMini-STXは、Intelが提唱する5インチ角(約127mm)の最新フォームファクタだ。Mini-ITXからさらに基板サイズが縮小されたにも関わらず、ボード上にはLGA1151ソケットを備え、デスクトップCPUがそのまま搭載できる。PCI-Expressなどの拡張スロットをオミットし、メモリにSO-DIMMを使用することで一回り小型になったというイメージだ。
また、Mini-ITXより小さなコンパクトPCといえばNUC(とそれに準拠するモデル)が代表的だが、省電力CPUオンボードのNUCはパフォーマンスがやや控えめ。さらにCPUが換装できないため、将来的なアップグレードの手段がないというデメリットがあった。そうした弱点を一挙に解決する、新たな選択肢がMini-STXというワケだ。
もっとも規格化が端緒についたばかりとあって、第一弾の関連製品はベアボーンキットからの投入となった。それがASRockから発売された「DeskMini 110」だ。容量わずか1.92リットルの小型筐体を採用、大きさは一般的なATX電源ユニットとほぼ同等という、Mini-STXの精神を体現するサイズ感を実現している。
Mini-STX製品の第一弾モデルとして登場したのが、今回の主役「DeskMini 110」。ATX電源と同等の1.92リットル筐体を採用、サイズからは想像できないほどの拡張性を秘めている |
Intel H110ベースの製品で、TDP最大65WまでのSkylake世代CPUに対応。CPUクーラーはIntelのリテールクーラーがそのまま流用できる。メモリスロットはDDR4-2,133MHz×2(SO-DIMM / 最大32GB)、ストレージは特殊ケーブルを使用するSATA3.0(6Gbps)×2と、PCI-Express3.0(x4)接続のNVMe対応Ultra M.2(Type-2280 / 32Gbps / ※SATA接続非対応)を実装。ケース内部には2基の2.5インチベイを備え、このサイズで高速ストレージのM.2 SSDと2.5インチドライブ×2が搭載できてしまう。ちなみにこのUltra M.2スロットは、チップセット経由の一般的なスロットよりも高速なCPU直結駆動。メーカー公称では、7%の性能向上が期待できるとしている。
そのほか、ネットワークはIntelチップのギガビットLANを装備。拡張用のM.2スロット(Type-2230 / Key E)を使用すれば、Wi-Fi+Bluetoothモジュールを増設することもできる。
本体パッケージもベアボーンとしては小型で、外形寸法はW295×D125×H205mm。内部には、SATA用の特殊ケーブルやネジ類、ドライバCDが同梱されている |
すでに山盛り状態な仕様だが、インターフェイスの充実ぶりも要チェック。ディスプレイ出力は、DisplayPort×1、HDMI×1、D-Sub×1の3系統を備え、デュアルディスプレイの構築も可能だ。USBは合計4ポートを実装、内1ポートは最新デバイス向けのUSB3.0 Type-C。なお電源には、付属の120W(19V)ACアダプタを使用する。
「Deskmini 110」シリーズには、他にも法人向けモデルの「DeskMini 110/COM」をラインナップ。いまだ根強い需要をもつCOMポートを背面に搭載している |