エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.688
2018.10.19 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 絵踏 一
GIGABYTE「Z390 AORUS MASTER」 市場想定売価税抜37,778円 製品情報(GIGABYTE) |
Intel Z390マザーボードの解禁からちょうど10日のブランクを空けて、そのパートナーとなる“Coffee Lake-S Refresh”ことIntel Core 9000シリーズがデビューした。
Coffee Lake-Sと同じ14nm++プロセスルールを用いた最新CPUで、プラットフォームも同様にLGA1151を採用。最上位の8コア/16スレッドモデル「Core i9-9900K」を筆頭に、8コア/8スレッドの「Core i7-9700K」、6コア/6スレッドの「Core i5-9600K」をラインナップする。いずれも倍率アンロックに対応したK型番のCPUだ。
最大8コア/16スレッドの「Core i9-9900K」をラインナップする、第9世代CoreプロセッサIntel Core 9000シリーズがついに登場。特徴的な12面ダイス風のパッケージが採用されている |
当然ながら最大のトピックは、メインストリーム向けプラットフォーム初のCore i9にして、初の8コアCPUである「Core i9-9900K」。Intel Turbo Boost Max Technologyにより、動作クロックは最大5.0GHz(シングル)に達する。物理的なL3キャッシュをマルチコア間で共有するIntel Smart Cacheは最大16MBを内蔵、物理コアが増加しながらTDPは95Wに収められた。
また、Intel 9000シリーズはいずれも熱伝導素材(TIM/Thermal Interface Material)にソルダリングを採用する点も見逃せない。昨今のCPUはTIMにグリスを使用していることから、より熱伝導率に優れたグリスに変更するための“殻割り”が流行したことはご存知の通り。TIMがソルダリングに回帰したことは、極限の性能を求めるオーバークロッカーにとっても朗報だろう。
そのIntel Core 9000シリーズのために用意されたのが、最新世代のIntel Z390チップセット搭載マザーボードだ。GIGABYTEは製品リリースに合わせ、従来からネーミングルールを刷新。エンスージアスト・ハードコアゲーマーをターゲットに据える「AORUS ENTHUSIAST」を頂点とした、新しいセグメントの製品群を投入した。今回の主役となるのは、ローンチ時点における最高峰のマザーボードにして、「AORUS ENTHUSIAST」のATXモデル最上位「Z390 AORUS MASTER」だ。
10月9日のIntel Z390マザーボード解禁時における最高峰モデルとして登場した「Z390 AORUS MASTER」。GIGABYTEのコンセプトを反映し、最高レベルの信頼性と最新機能が詰め込まれている |
GIGABYTEは最新マザーボードのコンセプトとして、Core i9の“全コア5GHz+安定動作”を掲げており、特に電源周りと冷却設計には力が入っている。電源フェーズは余裕たっぷりの合計12+2フェーズを構え、8pin×2系統の補助電源コネクタで大出力を供給しつつ、各フェーズの負荷と温度を低く抑える設計。PCBには、電気抵抗と発熱を低減する「2オンス銅箔層基板」が久しぶりに採用された。
さらに電源回路の冷却には、ダイレクトタッチのヒートパイプを内蔵する大型のヒートシンクを搭載。冷却性能は従来から30%以上も向上したとされ、背面を覆う「放熱用バックプレート」を合わせて、徹底した冷却対策が施されている。これらはすべて5GHzを超える安定したオーバークロック動作を狙った設計だ。
「Ultra Durable プロテクション」による優れた抗酸化設計、業界最先端の静電・サージ保護も相まって、信頼性の高さは折り紙つき。オーバークロックだけでなく、安定したシステムを長く使いたいという向きにも適している。
定格運用のCore i9-9900Kにおける5.0GHz動作は1コアのみだが、チューニングによる全コア5.0GHz超えかつ安定動作が可能なように設計された | ネットワークにIntelギガビットLAN+CNVi対応の無線LANを搭載するなど、ゲーミングマシンに必要な最新装備を多数備えている |
搭載機能も同様にハイエンドモデルに相応しい構成で、ネットワークはIntelギガビットLANに加え、最大1,734Mbps転送が可能なMU-MIMOの802.11ac Wave2対応無線LANを装備。オーディオ回路はRealtekの最新チップ「ALC1220-VB」+「ESS SABRE reference DAC(ESS 9118 DAC)」の組み合わせに、一級品の音響コンデンサ、デジアナ分離基板、USB DAC専用の可変電圧ポートなどを備えた「AORUS AUDIO」だ。
そのほか、トリプルスロットを実装するM.2スロットは、いずれも高冷却ヒートシンク「M.2 Thermal Guard」を標準装備。拡張スロットとメモリスロットもすべて装甲仕様で、「Ultra Durable PCIe Armor」および「Ultra Durable Memory Armor」で強化されている。
また、アドレサブルRGBのライティングを設定できる「RGB Fusion」対応のLEDは、電源・チップ用ヒートシンクやオーディオエリアなどマルチゾーンに搭載。Android(Quick Charge 3.0)とiOS(Apple Fast-Charge)の急速充電に両対応するフロントポートを出力可能な「USB TurboCharger」など、便利な独自機能も複数備えている。
パッケージはハイエンドモデルとしては一般的なサイズで、外形寸法は約W354×D82×H94mm。背面には「Z390 AORUS MASTER」のスペックや搭載機能の解説が列挙されている |