エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.808
2019.12.14 更新
文:松野 将太/撮影:松枝 清顕
MSI「MEG X570 UNIFY」 実勢価格34,500円前後(2019年12月現在) 製品情報(MSI) |
今どきのハイエンドには珍しいブラック一色のシンプルな外観。ドレスアップ用のLEDなども非搭載だ |
「MEG X570 UNIFY」は、ゲーミングPCやワークステーション用途を想定して調整されたエンスージアスト向けシリーズ「MEG」の最新モデル。すでに販売されている同シリーズの「MEG X570 ACE」と同じく、電源回路はクラス最高峰のIRデジタルPWM 12+2+1フェーズ回路を搭載。CPU 8Pin補助電源コネクタを2つ備えた回路設計「Core Boost Technology」なども合わせて、すべての第3世代Ryzen CPUに対応し、最大16コア/32スレッドのパフォーマンスを最大限に引き出せるよう設計されている。
対応CPUリストには「Ryzen 9 3950X」もしっかり掲載されている |
MSIのX570上位モデルで注目を集めたチップセットまでを繋ぐ拡張ヒートパイプこそ搭載されていないものの、放熱効果を高めるVRM部の金属製拡張ヒートシンクカバーや、ダブルボールベアリング採用ファンを内蔵するチップセットカバー「Frozr Heatsink Design」、3つのM.2スロットに個別で装着可能なヒートシンクなど、冷却性能にも配慮。拡張スロットには金属補強を施したセーフスロットを採用、PCI-Express 4.0通信時の信号ロスを防ぐ効果もあるサーバーグレードのPCB基板を使用するなど、堅牢性は折り紙付きだ。
加えて、2.5ギガビットLANやWI-FI 6(IEEE 802.11ax)対応の無線LAN搭載、ESS製のDACとヘッドフォンアンプを組み合わせた「Audio Boost HD」など、ハイエンドモデルらしい多機能さも注目に値するだろう。用途を選ばないポテンシャルがあり、とにかく懐が広い製品に仕上がっている。
ハイエンド製品ではあるが、パッケージは実測で340x280x90mmと、意外にもコンパクト |
ちなみにこういったハイエンドモデルではすっかりRGB LEDの採用が当たり前になりつつあるが、本製品はドレスアップ用のLEDを排除し、全体のカラーをブラック一色で統一したストイックな外観もひとつの特徴と言える。一般的な自作ではもちろん、個性的なPCパーツとも合わせやすく、幅広いケースで活用可能なのは評価できるだろう。