エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.872
2020.05.22 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
ASUS「ROG STRIX Z490-F GAMING」 市場想定売価税抜28,000円前後(2020年5月20日発売) 製品情報(ASUS) |
これまでASUSのコンシューマ向けマザーボードと言えば、オーバークロッカーやハイエンドゲーマーをターゲットにしたプレミアム仕様の「ROG MAXIMUS」シリーズを筆頭に、ゲーマー向けに特化した「ROG STRIX」シリーズ、価格を抑えつつ耐久性を重視したゲーマー向け「TUF GAMING」シリーズ、用途を限定しない汎用向け「PRIME」シリーズが用意されていた。
しかし、Intel Z490世代では、よりメニーコア環境を活かすことができるクリエイターをターゲットにした「ProArt」シリーズを新たに追加。全5シリーズへとラインナップが拡張されている。
ワークステーション向け「Pro」シリーズを除く、5シリーズがラインナップするASUSのIntel Z490マザーボード |
さらにASUSでは、各シリーズをフォームファクタや、電源回路のフェーズ数、ネットワーク機能の有無などによって細分化。Intel Z490マザーボードではダントツとなる計16モデルの豊富なラインナップを揃えることで、ユーザーの細かなニーズに対応できるようにしているワケだ。
そんなASUS Intel Z490マザーボードのちょうど中間に位置づけられるのが、今回の主役である「ROG STRIX Z490-F GAMING」だ。ミドルレンジモデルながら電源回路には、Power Stage「Dr.MOS」と「DIGI+ VRM」による12+2フェーズ電源回路を搭載。さらに高い冷却性能を誇るU字型の大型ヒートシンクを組み合わせることで、TDPが125Wに引き上げられた第10世代Intel Coreプロセッサの安定動作を可能にしている。
電源回路は、先代「ROG STRIX Z390-F GAMING」の8+1フェーズから12+2フェーズへと大幅に強化された。さらにヒートシンクも大型化され、CPU周りはミドルレンジとは思えない重厚な仕上がりだ |
また搭載しているCPUやCPUクーラーの性能を解析して、パフォーマンスを引き上げるAIチューニング機能「AI Overclocking」や、CPUの温度を維持しながらファンの回転数を低減する「AI Cooling」、ネットワークの帯域を自動的に最適化する「AI Networking」など、ユーザーの利便性を追求したインテリジェントな機能が充実しているのも大きな特徴だ。
「AI Overclocking」は「UEFI BIOS Utility」だけではなく、Windowsユーティリティ「AI Suite III」からも設定可能 |
「AI Cooling」を使えば、冷却性能への影響を最小限に抑えつつ騒音を低減できる | PCの用途に合わせてネットワーク帯域を調整できる「AI Networking」 |
さらにゲーマー向けマザーボードで重要なオーディオ回路には、ASUS独自IC「S1220A」をベースにした「SupremeFX」を実装。そしてネットワーク機能には、Intel「I225-V」による2.5ギガビットLANを採用する豪華な構成。なお使用するユーザーが限られるIntel Wi-Fi 6 AX201による無線LAN機能や、Thunderbolt 3については省略されたが、前者はM.2 Key-Eスロットが、後者は専用ヘッダが用意され、必要に応じて増設することができる。
「SupremeFX」では、メインストリームからハイエンドモデルでの採用例の多いRealtek「ALC1220」より、S/N比に優れる「S1220A」を搭載する |
その他、NVMe M.2 SSDのサーマルスロットリングを抑制する「M.2ヒートシンク」や、PCケースへのマザーボードの取り付けの手間をへらす「プリマウントI/Oシールド」、対応機器と統一したイルミネーションが楽しめる「AURA Sync」、ドライバやBIOSのアップデート、デバイスの状態などを集中管理できる「Armoury Crate」などの機能は従来通り踏襲。さらにアドレサブルRGB LEDピンヘッダは、LED数の検出できる第2世代へとアップグレードされている。
「ROG STRIX」シリーズではおなじみ、ブラックとレッドの2色に色分けされたパッケージ。サイズは実測縦275mm、横342mm、厚さ70mmで、マザーボードとしては標準的 |