エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.1032
2021.08.03 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 池西 樹/撮影:松枝 清顕
AMD「Ryzen 7 5700G」市場想定売価税込51,800円(2021年8月6日19時発売) 製品情報(AMD) AMD「Ryzen 5 5600G」市場想定売価税込36,800円(2021年8月6日19時発売) 製品情報(AMD) |
実に19%ものIPC向上により、シングルスレッド処理を中心に飛躍的なパフォーマンスアップを果たしたAMD Ryzen 5000シリーズ。そのRyzen 5000シリーズと同じ「Zen 3」アーキテクチャを採用したデスクトップ向けAPU「Ryzen 5000G」シリーズの国内発売が開始されることになった。
これまでのRyzen 4000GシリーズのCPUコア「CCD」は、4コアCPUと4MBのL3キャッシュを内蔵した「CCX」を2基組み合わせて構成されていた。一方「Zen 3」アーキテクチャを採用するRyzen 5000Gシリーズでは、8コアCPUと16MBのL3キャッシュの1チップで構成。もちろんすべてのCPUコアから、L3キャッシュやその他のCPUコアへ直接アクセスできるように設計されており、Ryzen 4000Gシリーズから大幅にレイテンシが削減されている。
Ryzen 5000Gシリーズの内部構造。「CCD」の構成は、L3キャッシュ容量が半分の16MBに削減されている他はRyzen 5000シリーズと同じ。CPU性能には大いに期待ができそうだ |
またGPUコアには、これまでと同様、デスクトップ向けプロセッサでは現行最高クラスとなる「Vega」アーキテクチャのRadeon Graphicsを採用。最高クロックは100MHz引き下げられているものの、コア数は最大8コアで変わらず。強化されたCPUと合わせて、そのパフォーマンスには大いに期待ができそうだ。なお残念ながらPCI-Expressについては今回もPCI-Express4.0の採用は見送られている。
8コア/16スレッドの「Ryzen 7 5700G」。先代モデルのRyzen 7 PRO 4750Gより、CPUクロックは200MHz向上しているが、GPUクロックは100MHz低くなっている |
ハイエンドモデル「Ryzen 7 5700G」のスペックは、CPUコアが8コア/16スレッド、動作クロックはベースクロック3.80GHz、ブーストクロック最高4.60GHz、L2キャッシュは4MB、L3キャッシュは16MB、グラフィックスコアは8基、GPUクロックは2,000MHz、メモリはDDR4-3200に対応し、TDPは65W。
6コア/12スレッドの「Ryzen 5 5600G」。こちらも先代モデルRyzen 5 PRO 4650Gより、CPUクロックは200MHz向上。またGPUクロックは1,900MHzで据え置き |
ミドルレンジモデル「Ryzen 5 5600G」のスペックは、CPUコアが6コア/12スレッド、動作クロックはベースクロック3.90GHz、ブーストクロック最高4.40GHz、L2キャッシュは3MB、L3キャッシュは16MB、グラフィックスコアは7基、GPUクロックは1,900MHz、メモリはDDR4-3200に対応し、TDPは65W。
リテールモデルとして販売が開始されるのはRyzen 7 5700GとRyzen 5 5600Gの2モデルのみ。4コア/8スレッドのRyzen 3 5300GやTDP35WのGEシリーズについてはOEMのみの提供になる |
プラットフォームはこれまで通りSocket AM4で、チップセットはAMD 500/400シリーズに対応する。なおRyzen 4000Gシリーズでは、国内流通モデルはビジネス向け「PRO」シリーズのみ。販売形態もバルク品のためやや変則的だったが、Ryzen 5000Gシリーズは正式なパッケージモデルとして販売され、購入のハードルはグッと低くなっている。
BIOSのアップデートは必要になるものの、既存のAMD 500/400シリーズマザーボードがそのまま流用できる |