エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.790
2019.10.25 更新
文:エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
冒頭でも触れた通り、「Silencio S600」は発売間もない、静音志向のミドルタワーPCケースだ。Cooler Masterの製品ラインナップではSilentシリーズに属し、これまでに多くの製品がリリースされている。ちなみにエルミタでは2014年8月に「Silencio 452」を取り上げた。Silencioシリーズとしては、実に5年振りの登場という事になる。
Cooler Master「Silencio S600 TG」(型番:MCS-S600-KG5N-S00) 市場想定売価税抜12,980円(2019年9月13日発売) 製品情報(Cooler Master Technology) |
さて、最新作「Silencio S600」の資料に目を通すと、どうやらキーワードはミニマルなデザインであるらしい。大型筐体を取り扱う事が多い近頃にあって、「Silencio S600」は確かにコンパクトな部類。要約すると、静音機能を搭載する、”ほどよいサイズ”のミドルタワーPCケースといったところだろうか。
ちなみに6月に検証を行ったCooler Master「MasterBoX CM694 TG」(型番:MCB-CM694-KG5N-S00)は、市場想定売価が税抜17,480円。つまり「Silencio S600」は税抜4,500円ほど価格が低い。購入のし易さも”ミニマル”というワケだ。
「Silencio S600」に限らず、Silentシリーズでアピールされているのは、静音の客観的な定義だ。単に”静音シート”を貼り付けただけの製品とは違い、開発段階で「Sorama CAM64」を使用している。
Sorama CAM64による静音性のテスト |
オランダSoramaのサウンド測定機器「CAM64」は、音源、共鳴パターン、周波数に基づくサウンドスペクトルを視覚的に分析。160mm四方に64個のマイクと、HDビデオカメラをそれぞれ内蔵し、視覚情報に変換してくれる。Silentシリーズでは、共鳴のピークとなる周波数を特定し、PCケースから発生するノイズを抑える対策を施した。客観的データに基づく静音対策は、説得力と安心感をユーザーに与えてくれる。メーカーの取り組みを開示するアイデアは、今後も積極的にとり入れるべきだろう。
それでは検証を始める前に、「Silencio S600」をスペック表から読み解いておこう。外形寸法は幅209mm、奥行き466mm、高さ460.5mmで(突起部を除く)、幅は200mmをわずかに超え、奥行きと高さは大型PCケースの目安となる500mmを下回る。なお対応フォームファクタはATX、MicroATX、Mini-ITX。ここまででミニマルデザインのミドルタワーPCケースという事は想像できる。ちなみに内部容積は44.8Lとされている。
主素材はスチールで、プラスチック製パーツの他、左サイドパネルには4mm厚の強化ガラスが使われている。なお外装パッケージサイズは幅290mm、奥行き550mm、高さ552mmで、付属品および緩衝材を含めた総重量は9.9kg。カート不要でも持ち帰りができるサイズに収められている。