エルミタ的速攻撮って出しレビュー Vol.824
2020.01.31 更新
文:撮影・エルミタージュ秋葉原編集部 松枝 清顕
今回の主役Antec「Striker」は、「COMPUTEX TAIPEI 2019」に合わせて開催されたメディア向け発表会で披露され、9月のグローバルリリースで製品版を正式発表。11月より国内市場でも販売が開始された、注目のMini-ITX対応PCケースだ。
Antec「Striker」 市場想定価格税抜36,300円(2019年11月9日発売予定) 製品情報(Antec / 株式会社リンクスインターナショナル) |
これまでのAntecを振り返ると、他社に比べてプロトタイプから製品化までのスピードが速く、実にテンポがいいイメージがある。「Striker」も例外ではなく、世界中の自作PCマニアからの注目が覚めないうちに、ポンとリリースする仕事は実に素早い。かく言う筆者もプロトタイプに魅了された一人で、気になっていたPCケースが思いの外早く市場に投入された事を、大いに歓迎している。
昨年行われたメディア向け展示会に持ち込まれた「Striker」の組み込み評価サンプル。本格水冷のハードチューブはフレームからはみ出し、イルミネーションの美しさとメカニカルな見た目を上手に融合させている |
ただし、ある程度予想していたとは言え、市場想定売価が気にならないワケではない。昨今の自作市場を見れば、税抜36,300円は決して手頃ではなく、ともすれば「価格相応なのか」という疑いの声も聞こえてきそうだ。
今回は「Striker」のすみずみを検証していく事で、PCケースとしての完成度はもとより、売価に見合う製品なのか、といったあたりもポイントになってくるだろう。
検証を始めるにあたり、スペック表から「Striker」の概要を把握しておこう。対応フォームファクタはMini-ITXで、一般的にはミニPCケースにカテゴライズされる。オープンフレーム型PCケースとしても小型で、外形寸法は幅230mm、奥行き420mm、高さ410mmに収めた。なお重量は7.47kgと比較的重く、両側面が強化ガラスだったり、そもそもオープンフレーム構造は頑丈に作る必要があるなど、それなりに理由はあろう。その他詳細スペックについては、検証を進めながら解説していこう。
外せるものを外すと、およそPCケースとは思えない金属の骨組み状態になる「Striker」。こう見るとオープンフレーム型PCケースである事を再認識させられる |
高額な製品とあってパッケージは化粧箱を用意。外形寸法は実測で縦横約520mm、高さは約310mmで、付属品および梱包材を含めた全体重量は8.97kgとされる |